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おいしい幸せ: Foodie's Blog

静岡の感動。

ここしばらく、静岡関係の投稿をしてますが、静岡に行ったのには1つ大きな理由があります。それは、静岡グランシップで行われた、ウィーンフィルのコンサートを聴きに行くため。hr_serenさんのブログ、ウィーン・フィル 『悲愴』を拝見すると、hr_serenさんはサントリーホールでお聴きになったようですが、私がウィーンフィルの来日公演を知ったのは、かなり後になってから。サントリーホールのチケットなど当然売り切れでした。そこで、その他の公演を調べたところ、何と静岡で行うとのこと。一も二もなくチケットを購入。
静岡の感動。_b0026421_114446.jpg

今回のウィーンフィルは、ゲルギエフとともに来日公演を行いました。ウィーンフィルは私の一番好きなオケですし、ゲルギエフが振ったチャイコの5番のCDも何度も聴いてきています。期待は最高潮に盛り上がります。コンサートの第1部は、ウィンナワルツ・ポルカ5曲。指揮者がゲルギエフだからか、東欧・ロシアに関連したワルツ・ポルカが入っています。そして、第2部はチャイコフスキーの6番「悲愴」。

期待が大きいとその分がっかりすることも多いのですが、演奏は私の最大の期待をさらに上回るものでした。特にすばらしかったのが、「悲愴」。曲の最初から最後までほとんど間を取らずに一気に演奏されました。弦楽器の音はつややかで、金管はとんがっておらず柔らかい音。ゲルギエフは、曲の緩急を大きくとっていました。それがまた曲のイメージを増幅します。グランシップは音響の悪さで定評(?)があって、ウィーンフィルが最初に出した音を聴いて私もがくっときた(ウィーンフィルの音は素晴らしいのですが、体育館で弾いてる感じ)のですが、途中からその音響の悪さも全く気にならなくなるほど演奏がすばらしかった。。。文字にすると、とても平凡に見えますね。文章力の問題でしょうが、あの素晴らしい演奏をうまく伝えることができません。

今回のプログラムは9月のウィーンでの定期演奏会で演奏されたもの。これがCD化されています。ちょうど録音中にゲルギエフの故郷オセチアでの学校占拠事件が起きたということで、そのことを考えながらこれを聴くと本当に何とも言えない気持ちになります。今年はこの事件のほか、イラクでの戦乱、日本では台風・地震と色々悲しい事件・出来事があった年でした。直前に来日した、ヤンソンス指揮・ロイヤル・コンセルトヘボウのプログラムにも「悲愴」が入っていたようですが、今はこの曲がふさわしい時代なのかもしれません。そんなことを考えながら聴いていました。曲の途中から、その美しさ・哀しさに涙が出ました。

本当に感無量のコンサートでしたが、最後に一つだけ残念なことがありました。悲愴が終わり、大きな拍手の中、ゲルギエフがお辞儀をしているところに、フラッシュの嵐。誰か一人フラッシュをたいたら、我も我もという感じでした。もちろんコンサート前に録音・撮影は「固くお断り」とアナウンスも入っているので、悪いと言うことは知っていると思うのです。実はこの日も私はデジカメを持って歩いており、この感動の瞬間を残すことができればどんなにいいだろう、と感じたことは事実ですが、やはりそれは演奏者の権利を侵害すること。そういうことも含めて音楽を愛するファンでありたいと強く強く思ったのでした。

このブログ、本当は食についてのみ記述するブログにしようと思って始めたのですが、あまりの大きな感動にこれを記録に残さずにいることができませんでした。ということで、イレギュラーですが投稿しました。
by foodieblog | 2004-11-23 11:29 | その他
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Foodie=食いしん坊 である私の 個人的おいしい幸せの記録

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